今更だが、物価高騰が、国民生活に大きなダメージを与えている。原因は、「円安による輸入コストの上昇」「人件費、物流費の増加」「ウクライナ侵攻や中東情勢による穀物およびエネルギーの高騰」などがあげられている。
総務省によれば、2020年を100とした場合の2026年5月の消費者物価指数は、全体で113.5、中でも食料品の128.7や家事用品の124.8など国民生活に直結する分野での上昇が著しい。ここ1年だけ見ると、チョコレートの125.8%、コーヒー豆の137.9%上昇が目を引く。どちらも国民的嗜好品だ。
一方で、収入は物価高騰に追いついているのかが気になる。
賃金を見ると、2020年以降毎年2%程度、ここ2年くらいは5%程度上昇しているとのことだが、某大手生命保険会社の調べでは物価上昇には追いついていないそうだ。年金はどうか。国民年金も厚生年金も2%程度の上昇に留まっており、賃金以上に物価高騰に追いついていない。賃金も年金も、実質目減りしていることが分かる。
ウクライナ侵攻だって、中東情勢だって簡単に収まるとは思えない。
国民生活を国はどのように考えているのだろうか。食品の消費税を2年間1%にすることで改善できるとは思えない。一時的に商品券をばらまいたりしても焼け石に水だ。
生活防衛のために、買い控えや旅行・娯楽などの取りやめなどが現実的になっている現状をどのように見ているのだろうか。国民の個人消費は国内総生産の半分以上を占めていることを考えれば、経済成長率に暗い影を落とすことになる。
今必要な施策は、傷口に絆創膏を貼るようなことではなく、円安に歯止めをかけると同時に、中小企業も含む働く者への賃金や厚生・国民年金などを物価上昇と同程度に上昇させることが求められているのではなかろうか。個人消費が伸びることによって、国民総生産を伸ばし、その先には安定した豊かな暮らしが見え、さらにその先に国際社会での影響力も増してくるなど、まさに国力増強に直結していく。「世界の真ん中で咲き誇る日本」と言った首相もいたが、現首相も受け継いでいるのであれば、まずは国民が「咲き誇っている」と感じなければ絵空事に終わってしまうだろう。
単に防衛力だけでなく、経済や文化、暮らしなど国民の暮らしを軸においた総合的な施策を現政権には望みたい。
バランスの良い「積極財政」を、そしてプライマリーバランスも肝に銘じて忘れないでほしいのだが・・・!!
